熱加工と非熱加工

アプリケーション/材料とレーザ発振器の関係

レーザ加工が採用されている産業は、半導体、通信、電気・電子デバイス、自動車、造船、
航空産業と幅広く、各産業にはレーザ発振器の特長を活かしたアプリケーションが存在する。

ここでは、各レーザ発振器の加工における特徴と代表的なアプリケーションを説明する。


アプリケーション/材料とレーザ発振器(波長/出力)の関係

エキシマレーザの加工(非熱加工)の特徴

エキシマレーザは、レーザ発振器の中で最もランニングコストが高いため、
高付加価値(エキシマレーザ以外では難しい加工)のアプリケーションで利用されている。

エキシマレーザ加工の特徴は、発振されるビームが矩形(長方形)をしており、
拡がり角が縦横で異なるためレーザ光を1点に集光することができない。
そこで、結像光学系によりマスクパターンを加工対象材料上に縮小投影し加工する手法が
取られている。

これにより、穴あけ加工では高精度に一括同時多穴加工を行うことができる。
また、紫外線レーザの中では最高の出力を発振することができるため、大面積加工も
得意としている。

参照:『気体レーザ:エキシマレーザ』の項

紫外線(UV)固体レーザの加工(非熱加工)の特徴

第3高調波(355nm)や第4高調波レーザ(266nm)などの紫外線(UV)固体レーザは、
微細加工の中で熱影響を低減する場合に利用されることが多い。

エキシマレーザほどの高出力を得ることはできないが、その波長の特性から10μm以下の
集光径(スポット径)を得ることができるため精密な加工に適している。

また、紫外線は材料への吸収率が比較的高く、光子エネルギーも高いため非熱加工において
高速に加工を行うことができる。

参照:『固体レーザ:高調波レーザ』の項

グリーンレーザの加工(非熱加工)の特徴

非熱加工の際に、紫外線レーザを使用したいがコストが合わない場合や、もしくはグリーンの光に
高い吸収率をもつ材料(銅やシリコン等)の加工に使用されている。

グリーンレーザの加工は、紫外線レーザの加工と比較すると熱影響が出やすく、赤外線レーザ
(非熱加工向けパルスレーザ)より高価になるため材料の吸収特性に応じて検討される場合が多い。

半導体レーザの加工(熱加工)の特徴

半導体レーザはコストが安いのが最大の特徴である。
発振されるビームは縦横のビーム拡がり角が異なるため楕円形状をしている。
それにより加工径を小さく絞ることができないため、ある程度大きなスポットに大きな出力を
照射することで焼き入れや表面改質など面加工に近いアプリケーションで利用されている。

YAGレーザの加工(熱加工、非熱加工)の特徴

YAGレーザは赤外線レーザの中でアプリケーションの幅が最も広いレーザ発振器である。

赤外線レーザの利点は、低コスト、高出力化が容易であり、仕様によってアプリケーションも
熱加工から非熱加工まで幅広く対応している。

参照:『固体レーザ:YAGレーザ』の項

ファイバーレーザの加工(熱加工、非熱加工)の特徴

YAGレーザと同じアプリケーションに対応するのがファイバーレーザである。

ファイバーレーザは、レーザ発振器の中で最もシンプルな構造をしているため、コストや信頼性で
YAGレーザより優れたレーザ発振器といえる。

そのため、市場ではYAGレーザからファイバーレーザへの置き換えが加速している。

参照:『固体レーザ:ファイバーレーザ』の項

CO2レーザの加工(熱加工、非熱加工)の特徴

CO2レーザの最大の特徴は、その波長(レーザ発振器の中で最も波長が長い)と
価格(レーザ発振器の中で最も導入コストが安い)である。

特にCO2レーザの波長が有効な材料に対するアプリケーションではコスト効果もあって
CO2レーザの独断場となる場合が多い。

参照:『気体レーザ:CO2レーザ』の項

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