加工品質と装置コスト

加工品質と装置コストの関連性は?

レーザ加工は、加工現象の異なる非熱加工と熱加工に分類される。(参照:熱加工と非熱加工

加工品質は熱加工と非熱加工によって対処すべき問題が異なり、機器選定に影響する。
特に非熱加工においては装置コストに反映される。

【 非熱加工の場合 】

【 加工品質とレーザ発振器のコスト 】

非熱加工では微細な加工が要求されるため、熱影響による加工部周辺の損傷が問題になりやすい。
この場合、加工対象材料への熱影響は、レーザ発振器の波長とパルス幅を短くすることで解決できる。

レーザ発振器の波長が短い程、加工対象材料に吸収される率が上がり、加工部周辺への
熱影響を低減することができる。

また、レーザ光(1パルス)が加工対象材料に照射されている時間(熱がかかっている時間)がパルス幅となるため、パルス幅を短くすると熱影響時間が短くなる。

さらに、ピコ秒やフェムト秒オーダー(極短パルスレーザ)のパルス幅では材料への吸収過程が
通常とは異なり、多光子吸収過程における非線形吸収という独特の吸収形態をとる。
そのため、通常、レーザ光を透過するような材料でもレーザ光を吸収させて加工することが可能となる。

しかし、波長が短くなるほど、またパルス幅が短くなるほど、レーザ発振器のコストが高くなる。
そのため、加工品質をどこまで求めるかはコストとのバランスとなるので注意が必要である。

【 加工品質と光学系のコスト 】

レーザ発振器以外で加工品質に影響を及ぼす要因が光学系である。
レーザ加工では、照射密度を上げるため必ずレーザ光を絞る必要がある。

この際に加工品質上で問題になるのが光学系の収差である。
収差が発生すると求める加工径が得られなくなったり、加工エッジが汚くなったりするため、
加工品質低下を招く。(参照:『光学レンズの収差』の項

非熱加工における微細加工のように10μm近辺のビームに絞って加工を行う場合では、
収差による影響が出やすくなる。

MEMO
熱加工では、加工径が数100μmと大きい上に、レーザ光の加工スポット形状の乱れが加工に及ぼす影響が小さいためそれほど問題になることはない。

しかし、収差を考慮した光学レンズはコストが高く、どこまで収差を補正するかの検討が必要である。

Laser Agencyでは、お客様の加工ニーズにおける加工品質の追求方法や
それに伴うコストの考え方をアドバイスしています。
加工品質の向上とコストアップのバランスを加工実験を通してご相談させて頂ければと考えます。

【 熱加工の場合 】

【 加工品質とレーザ発振器のコスト 】

レーザ光で加工対象材料を溶かしながら行う熱加工には、材料に対する熱歪みの影響など
加工品質を損なう原因がある。

加工効率を上げて加工以外の熱作用を抑えるためには、照射密度を上げ、高速にレーザ光を
走査するのが理想的である。
このような加工を実現するためには、レーザ発振器のビーム品質の向上が必要となる。

ビーム品質が高いと、溶け込み深さが深くなり、加工速度が向上することにより、
熱歪の少ない加工が可能となる。

MEMO
従来からの熱加工におけるレーザ発振器の選定方法では、加工対象材料に対して
レーザ光の吸収が少しでもあれば加工プロセスが始まることから、加工対象材料を
溶かすだけの『レーザ出力』が重要と考えられ、加工品質に影響を与える『ビーム品質』
はあまり重要視されていなかった。

ビーム品質が高い程、単位面積当たりの照射出力が大きくなるため必要な出力は最小限に
抑えることができ、導入コストの低減にも寄与するのである。

MEMO
ファイバーレーザがこの分野で躍進を続けているのは、ビーム品質の高さが、
高い照射パワー密度を生み、圧倒的な加工速度で熱加工を可能にしているからだ。
(参照:『ファイバーレーザの光学系の特長』の項
熱加工用レーザ発振器の中で、最もシンプルな構造をしているため信頼性も高い。
励起用光源の寿命と独自の励起方式により安定した出力と他を圧倒する低ランニングコスト
を実現するファイバーレーザもある。

Laser Agencyとしては、ファイバーレーザによる加工工法の提案を行う加工装置メーカーを
紹介しています。
お客様の加工に応じて最適なファイバーレーザによる加工工法をご紹介いたします。

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