レーザの目に対する危険

レーザは光なので眼に対する危険を一番にしておかないといけません
またレーザには様々な種類や出力が有りそれに応じた危険の知識が必要です
ここではレーザの種類に応じた眼に対する危険を説明します

レーザの眼に対する危険を学ぶためにはまず眼の構造を知る必要があります。
以下に眼の簡単な構造図をしまします。
人が何かを見るときは外部から入ってきた像を網膜に投影して神経伝達で脳内で映像化され見ています。
光も同様です。例えば太陽を見るとまぶしく感じます。
太陽からの光は角膜を通過し水晶体を通過し、硝子体を通過し、網膜に到達します。
ただし人の眼は可視光と言われる波長域(380nm-780nm)しか感じ取れません。
レーザ光も同様ですがレーザの種類により発振波長が違うため網膜まで到達するしないがあります。
では加工用レーザの種類によってどうなるかを以下に示します。

紫外線(UV-C)100nm~280nm

レーザ:エキシマレーザ(F2:157nm、ArF:193nm、KrF:248nm)、固体レーザ(第4高調波:266nm)
これらのレーザは角膜で吸収されるため眼にレーザが当たった場合、角膜の熱傷(やけど)が起こります。
照射時間や出力にもよりますが基本的に他の構造を傷つけることはありません。

紫外線(UV-B)280nm~315nm

レーザ:エキシマレーザ(XeCl:308nm)
これらのレーザは角膜での全吸収は起こらず一部透過するため眼にレーザが当たった場合、角膜の熱傷(やけど)や水晶体の白濁が起こります。
照射時間や出力にもよりますが基本的に硝子体や網膜を傷つけることはありません。

紫外線(UV-A)315nm~380nm

レーザ:エキシマレーザ(XeF:351nm)、固体レーザ(第3高調波:343nm、351nm、355nm)
これらのレーザは角膜をほぼ透過し水晶体で吸収を起こすため眼にレーザが当たった場合、水晶体の白濁が起こります。
照射時間や出力にもよりますが基本的に硝子体や網膜を傷つけることはありません。

可視光 380nm~780nm

レーザ:固体レーザ(第2高調波:514nm、527nm、532nm)、高出力LD(400nm~450nm)
これらのレーザは網膜まで達するため眼にレーザが当たった場合、網膜で吸収が起こり網膜損傷や熱傷を起こします。
網膜は損傷すると自己再生しないため自然治癒せず盲点になります。

近赤外線 780nm~2.5µm

レーザ:ファイバーレーザ( 800nm~1100nm、1.9µm~2µm )、高出力LD(800nm~1550nm)
これらのレーザは網膜にまで達しますが可視光でないため脳が光として判断できず最も危険な光です。
網膜は損傷すると自己再生しないため自然治癒せず盲点になります。

中赤外線 2.5µm~4.0µm

レーザ:ファイバーレーザ( 3µm )、固体レーザ(3µm)
これらのレーザは角膜での全吸収は起こらず一部透過するため眼にレーザが当たった場合、角膜の熱傷(やけど)や水晶体の白濁が起こります。
照射時間や出力にもよりますが基本的に硝子体や網膜を傷つけることはありません。

遠赤外線 4.0µm以上

レーザ:CO2レーザ(9.2µm~10.8µm)
これらのレーザは角膜で吸収されるため眼にレーザが当たった場合、角膜の熱傷(やけど)が起こります。
照射時間や出力にもよりますが基本的に他の構造を傷つけることはありません。

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